以前の記事で「GACKTが喝!20代男性の4割が童貞という現実、原因と解決策を探る」にて、運動(ジムや散歩)や生活習慣を見直すことの重要性について触れました。
しかし、「継続できない」と感じている方も多いのではないでしょうか?
私自身、継続することは苦手でしたが、現在では平日ほぼ毎日ジムに通い続ける習慣を1年間維持しています。
この記事では、私が実践した科学的な手法を共有します。
目標の立て方
目標を紙に書く
例えば、ジムで筋トレを始めるとしたら、どのような目標を立てますか?
- シックスパックを手に入れる
- 太い腕と大胸筋をつける
どちらも、とってもいい目標だと思います。
目標は人それぞれですが、大切なのは「その目標を紙に書くこと」です。紙に書くことで達成率が向上するという研究結果もあります。
たとえば、スマホのメモでも悪くありませんが、紙に書く動作や感触が記憶に定着しやすい点で優れています。また、紙に書いたものを写真で保存するのも有効です。
さらに、手書きの効果について詳しく述べている以下の記事も参考にしてください。
手書きの目標設定と効果
紙に書くことが目標達成に与える良い影響については、後日別の記事でさらに掘り下げる予定です。
目標を疑問形で考える
目標を立てる際には、疑問形にすることでより具体的な行動計画を導き出せることがわかっています。これはイリノイ大学の研究によって明らかにされており、疑問形の目標設定がモチベーションを高める効果があるとされています(参考: PMC)。
例えば:
- **目標が「マッチョになりたい」**場合、以下のように疑問形に変えます。
- 「どうしたら、マッチョになれるだろう?」
この疑問に対して、20~30分じっくりと考える時間を設けることで、具体的な行動プランが浮かび上がります。
- 「週に3回ジムに行く」
- 「タンパク質を意識して食事を見直す」
疑問形にすることで、目標が抽象的な願望で終わらず、現実的な行動に落とし込まれるのです。
疑問形の目標設定は、ただ目標を掲げるだけでなく、それを達成するための道筋を明確にするための効果的な方法です。このアプローチを取り入れることで、目標達成への一歩をさらに確実なものにすることができます。
3週間続けられる目標にする
ロンドン大学ユニバーシティカレッジの研究によれば、新しい習慣を完全に身につけるには平均66日が必要だとされています。しかし、個人差があり、短い場合は18日、長い場合は254日かかることもあるとのことです。このため、最低でも18日、3週間ほどを目安にすると良いと思います(習慣化の研究 – How are habits formed?)。
このように、最初は3週間(21日間)を目安に、続けられるレベルに目標を細分化することをお勧めします。
たとえば、私はジムを契約する前に、3週間毎日同じ時間に家を出て、契約予定のジムの前まで散歩をしました。これにより、日常生活に無理なく運動を組み込むことができました。
IF/Thenプランニングの導入
普段の習慣に紐づけることで、目標を実行に移しやすくなります。
例えば:
- 起床したら、太陽光を浴びるためにカーテンを開ける
- スマホを触ったらスクワットを5回行う
このように、「もし〇〇したら、△△する」という形式で行動を計画しましょう。この方法は「実行意図(Implementation Intention)」と呼ばれ、心理学の研究でも目標達成率を高める手法として知られています。実際、この手法がある程度効果を持つことが以下の論文で示されています:
Effectiveness of Implementation Intention in Goal Achievement
健康的な食品摂取(例: 果物・野菜の摂取)は、実行意図を立てることで、摂取量が 43% 増加。
禁煙成功率が 29% 向上(中程度の効果)。
取り組み方
5秒ルール
「思い立ったら5秒以内に行動を起こす」というルールです。このルールは、行動を始めるハードルを下げるための簡単な方法として、多くの人に活用されています。
人間の脳は、新しい行動を起こす際に抵抗を感じ、躊躇する傾向があります。5秒以内に動き出すことで、その「躊躇のスパイラル」を断ち切り、行動を促進できます。これにより、先延ばしを防ぎ、物事を継続する助けとなります。
この手法はメル・ロビンズ氏によって提唱され、自己啓発の分野で広く紹介されています。ただし、現時点では「5秒ルール」の効果を直接検証した大規模な科学的研究は限られています(参考: Swingroot)。それでも、多くの人がこの手法を用いて行動力を高めたという報告があります(参考: Note)。
「5秒ルール」は行動を促進するシンプルな手法であるため、科学的なエビデンスが完全に整うまでの間も試してみる価値は十分にあるでしょう。
ゲーミフィケーション
行動をゲーム化することで、楽しみながら目標を追求できます。この手法は「ゲーミフィケーション」と呼ばれ、数値で進捗を可視化することでモチベーションを維持しやすくするものです。
例えば:
- 散歩なら、歩数計で歩数を記録する。
- 筋トレなら、重量や回数を数値化して目標を設定する。
- 読書や勉強なら、読んだページ数や勉強時間を記録する。
目標を具体的な数字や成果物として可視化すると、達成感が得られ、次の行動への意欲も高まります。小さな報酬(例えば、歩数達成後のストレッチタイムや、勉強後の休憩)を自分に設定するのも効果的です。
実際、健康増進を目的としたスマートフォンアプリにゲーミフィケーション要素を組み込むことで、ユーザーの歩数が増加し、継続的な利用が促進されたという研究結果があります(参考: J-STAGE)。さらに、ゲーム的な要素を取り入れることで、ユーザーの自発的な行動が高まり、タスクに対する効果が引き出されることが確認されています(参考: DEIM)。
ゲーミフィケーションは、行動変容やモチベーション向上に有効であり、日常生活や目標達成のプロセスに取り入れることで、楽しみながら継続的に取り組むことが可能となります。
目標の細分化と小さな達成感
大きな目標を達成するには、無理のない範囲で行動を細分化し、小さな達成感を積み重ねることが重要です。具体的には、目標を小さなステップに分解することで、達成感を得やすくし、次の行動への意欲を高めることができます。
例えば:
- ジム通いを始める場合、最初は「ストレッチを1箇所だけして帰る」という小さな目標を立てる。
- 勉強の場合、1日5分だけ問題を解いてみる。
この方法が効果的であることは、東京大学や帝京大学の研究でも示されています。この研究では、目標を細分化することで「やり抜く力」が向上し、脳の前頭極に構造的な変化が生じることが確認されました(参考: JST)。こうした変化は、目標達成に向けた行動を支援する神経メカニズムの一部であるとされています。
私自身も、この方法を取り入れることで1年間のジム通いを習慣化することができました。小さな成功体験を積み重ねることで、大きな目標にも自然と近づいていくことが可能です。
マインドセット
セルフコンパッションを身につける
失敗しても自分を責めすぎないことが大切です。過度に自分を責めると、モチベーションが低下し、次の行動に移るエネルギーを失いがちです。むしろ、失敗は成長への一歩であり、自分を勇者のように称える気持ちを持つことが重要です。
セルフコンパッションとは、自己批判を和らげ、自分に優しく接するスキルのことです。この考え方は、心理学者クリスティン・ネフ博士によって提唱されました。セルフコンパッションが高い人ほど、ストレスに強く、自己改善への意欲も高まるとされています(Neff, 2003)。
例えば:
- 「失敗してしまった。でも、次に活かせる学びがあった」と捉える。
- 「自分を責めるのではなく、まずは自分を労おう」と考える。
研究によれば、セルフコンパッションを高めるための介入は、ストレスや抑うつの軽減に効果的であることが報告されています(参考: 東京大学 Repository)。また、苦痛や困難に直面した際に自己への思いやりを持つことで、心理的なレジリエンスを高めることができるとされています(参考: Tokushima University)。
詳しくは、以下の書籍でセルフコンパッションの詳細が解説されています:
セルフ・コンパッション―あるがままの自分を受け入れる
諦めない
目標に向かう過程で失敗することは避けられません。しかし、失敗を恐れるのではなく、小さな一歩を踏み出し続けることが大切です。目標が大きすぎて挫折しそうな場合は、さらに細分化して取り組みやすいステップに落とし込むことをお勧めします。
例えば:
- 雨の日でも靴を履いて家の扉を開ける
- 最初の交差点まで歩く
私自身も、この方法を取り入れることで挫折を乗り越えました。一度はジム通いを断念しましたが、「まずは雨の日でも靴を履いて家を出る」という小さな目標に変えたことで、無理なく再スタートを切ることができました。
失敗しても何度でも目標を見直し、小さな成功体験を積み重ねることで、最終的には大きな成果を達成できるはずです。
まとめ
継続のコツは、目標の立て方、取り組み方、そしてマインドセットを整えることにあります。
- 目標は紙に書き出し、3週間続けられる小さなステップに分ける。
- 5秒ルールやゲーミフィケーションを活用して、行動を始めやすくする。
- セルフコンパッションを持ち、失敗しても諦めず小さな行動を続ける。
これらを実践すれば、継続の鬼になることも夢ではありません。
また、この記事で紹介した内容をもとに、今後も目標達成や自己改善に役立つ具体的な方法や事例を記事としてお届けします。引き続き、ご期待ください!
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